チップ部品への中性電気めっきプロセス

  1. TOP
  2. 技術情報
  3. チップ部品への中性電気めっきプロセス

あらゆるチップ型受動部品に対応する
チップ部品への中性電気めっきプロセス

NiFe_image.png

チップ部品へのめっき工程

 チップ部品は、プリント配線板への実装のため、銅ペーストや銀ペーストで形成された端子部分にニッケルめっきおよびすずめっきが施されます。めっき方法としては、バレル装置を用いた電気めっきが主流です。各チップ部品の端子への導通を確実にするため、部品と同時にダミーボールと呼ばれる金属球をバレル内に投入し、めっきを行います。 

SN_barrel.png

メルテックスの中性電気めっきプロセス

 チップ部品への表面処理では、下記のような課題が知られています。

  •   ① 小型チップ部品の浮きによる未めっき
  •   ② 材料の浸食による電気特性の劣化 
  •   ③ チップ部品同士のくっつき(二枚付着)
  •   ④ Snウィスカによる実装後の短絡

 メルテックスでは、これら課題を解決する「中性電気めっきプロセス」を開発しました。


SN_table.png

【チップ部品のめっきにおける課題】①小型部品の浮き

 小型のチップ部品は水面に浮かびやすく、めっき液に沈まないことがあります。部品がめっき液に沈まないと、めっき処理されず、未めっき不良につながります。

 メルテックスのチップ部品用中性電気めっきプロセスでは、電気Niめっき前に親水化処理を行うことで、小型チップ部品の浮きを防止し、めっきのみ析出を防ぐことが可能です。

SN_meldip.png

【チップ部品のめっきにおける課題】②素材浸食

 チップ部品の種類によっては、素材が酸やアルカリに弱く、めっき液中で浸食されることがあります。素体が浸食されると、めっきが電極からはみ出して成長したり、電気特性が特化したりする可能性があります。

 メルテックスのチップ部品用中性電気めっきプロセスでは、プロセスを通して処理液のpHを中性付近に保つことで、チップ部品の素材浸食を最小化することを実現しました。

SN_corrosion.png

【チップ部品のめっきにおける課題】③チップ部品のくっつき

 電気すずめっきでは、めっきが進行にするに従って、別の部品とのくっつきが生じ、部品の二枚付着やダミーボールの凝集が起こることがあります。くっつきは、めっきのみ析出や膜厚のバラつきの原因となり、不良率上昇の原因となります。

 メルテックスの中性チップ部品向け電気めっきプロセスでは、めっき液の調整によりくっつきが起こりにくく、不良率の低下に寄与します。

SN_aggrigation.png

【チップ部品のめっきにおける課題】④ウィスカの発生

 部品実装後の環境変化などを原因として、すずめっき被膜からウィスカが発生し、回路内での短絡などの不具合を起こすことがあります。

 メルテックスの中性チップ部品向け電気めっきプロセスでは、独自技術によりウィスカの発生しにくいめっき被膜を実現しました。

SN_heat_cycle.png

メルテックスのチップ部品用中性電気めっきプロセス

メルテックスのチップ部品用中性電気めっきプロセスは、以下の特長を備えためっきプロセスです。

  • ・プロセスを通して中性で素材浸食が少なく、あらゆる受動部品に対応します
  • ・小型部品の浮遊を押させ、均一なNiめっき被膜が得られます
  • ・Niめっき中のホウ素使用量が従来品の半分以下です
  • ・ウィスカの発生がほとんどありません
  • ・製品の2枚付着およびメディアの凝集を抑制しています

お問い合わせ

 より詳しい特性データのご要望、用途・試作についてのご相談など、お気軽にお申しつけください。
まずはメールにてご返答させていただきます。


NiFe_button.png