膜厚分布に優れたビアフィル用硫酸銅めっき添加剤

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液流に依存しない特長を持ち、幅広い電流密度で適用可能
Lucent Copper IVF 硫酸銅めっき添加剤

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プリント配線板とめっき技術

 スマートフォンを始めとする情報端末や自動車の先進運転支援システムのセンサーモジュール、さらにはIoT技術を運用する上で肥大化する情報通信処理を可能にするデータセンターなど、私たちの日常生活を取り巻いている電子機器には、従来よりプリント配線板が広く使用されています。プリント配線板の製造工程では、電気銅めっきによる層間接続や導体回路形成、電気めっきの導電性確保のための無電解銅めっき、電子部品を搭載するパッドの表面処理に無電解ニッケルめっき・置換金めっきなど、様々なめっき技術が利用されています。近年、高性能化する電子機器の要求に対応するためプリント配線板も回路の微細化・高密度化が求められており、層間接続・導通回路形成に用いられる硫酸銅めっきに対する要求性能も多様化・高度化しています。  

硫酸銅めっきの技術課題

 高多層・高密度プリント配線板において、ブラインドビアホール(BVH)を使用した層間接続とパターンめっきによる微細回路形成の両立が求められる中、硫酸銅めっきに関しては次の3つが課題として挙げられます。

①BVH上部の平坦性低下
 スペックの異なるBVHを充填する場合、フィリング性能を重視することにより絶縁層厚が薄いBVHではオーバーフィリングが発生しやすくなります。スタックビアなどの積層時の課題となっています。

②パネル内の膜厚ばらつき
 基板に対する液流の当たり方をパネル内で一定にすることは難しく、液流の強弱によってパネル内のめっき膜厚差が生じやすくなります。

③ユニット内の膜厚ばらつき
 大面積のパッドや異なる回路幅をもつ微細配線がユニット内に配置されています。めっき面積の粗密により、ユニット内においてもめっき膜厚差が生じやすい課題があります。

 
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 硫酸銅めっきにおいてはレベラー成分の液流依存性(液流が強く当たるところでめっき析出が抑制される)を利用して、微細回路形成におけるめっき膜厚の均一化が図られてきました。一方で、大面積のパッド部やパネル全体での膜厚均一性が犠牲となる傾向があります。これらの課題に対するソリューションとして液流依存性が少なく膜厚均一性に優れた新たなビアフィル浴 Lucent Copper IVF を開発しました。

オーバーフィリングの抑制

 Lucent Copper IVFは表面膜厚を増加させてもオーバーフィリングが発生しにくく、BVH上に平坦なめっき析出を行うことが可能です。ビルドアップ基板の積層工程において、スタックビアを形成しやすくなる利点があります。

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液流に依存しないフィリング性能

 Lucent Copper IVFは異なる液流環境であっても、優れたフィリング性能を有します。  液流に依存しないフィリング性能により、パネル内の位置によるフィリング性能差が生じにくくなります。また、バーチカルラインの異なるステージにおいて液流差が生じた場合でも影響を受けにくいと考えられます。

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パネル内 膜厚均一性能

 プリント配線板のめっき面では強弱様々な液流が生じますが、 Lucent Copper IVFは液流の影響を受けることなく、均一な膜厚形成が可能です。

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ユニット内 膜厚均一性能

 プリント配線板のユニット内部にはめっき面積の異なるパターン、パッドが混在します。 Lucent Copper IVFはこれらのめっき面に対しても均一な膜厚性能が得られます。

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膜厚分布均一性に優れた硫酸銅めっき

 Lucent Copper IVFはめっき処理における液流の影響を受けにくい硫酸銅めっき添加剤です。様々な液流条件下においても安定したフィリング性能が得られ、パターン膜厚の均一化を可能にします。

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